血に伏した少年はボロボロだった。
何よりも、足が。

血がどくどくと今も流れている、
皮膚が黄色に紫に変色している、
ぐにゃり、とあらぬ方向に曲がっていた。

おそらく治っても、後遺症は避けられない。
というか、十代前半にしてもう走る事も出来なくなっただろう。


「まったく、予想はしていましたがここまでくるとは」
「……」
「そんな目で見ないでくださいよ。ていうかひどいですねこれ」
「足が潰れてるからな」
「いじめっていうか暴力行為ですね。いや、いじめ自体暴力行為でしたか」
「知らん」
「ていうか自分の足潰れてよくそんな風に落ち着けますね」
「お前もな」
「生憎そういうグロ物件は見慣れてるもので」
「あぁ、そうか」
「で、犯人は?」
「足音が聞こえたら逃げてった」
「あぁそう」

義足くらいは用意してあげますよ、と告げて。
私は仕方なく報復に出かける事にしました。

ドヤダフィルゴールの鐘(master: mkbt site: 逆光ツヴェート)

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